まず結論:制度は「法人向け」と「個人向け」の2系統
リスキリング関連の補助金・助成金は数が多く見えますが、「会社が申請する制度」と「個人が申請する制度」の2系統に分けると整理できます。会社主導で社員に研修を受けさせるなら国の人材開発支援助成金(中小企業は経費の最大75%)、個人がキャリアのために自費で学ぶなら経済産業省のキャリアアップ支援事業(最大70%・上限56万円相当)が本命です。さらに15の県では国の制度に上乗せ・並行できる県独自の研修補助金が募集中です(2026年7月当サイト調査)。
会社が社員に受けさせる
申請者=会社
申請者=会社
人材開発支援助成金
最大75%+賃金助成
最大75%+賃金助成
or
個人が自分で学ぶ
申請者=個人
申請者=個人
経産省キャリアアップ支援事業
最大70%(上限56万円相当)
最大70%(上限56万円相当)
図: リスキリング支援の2系統。まず「誰が申請するか」で分ける
法人向け①:人材開発支援助成金(国・本命)
会社主導のリスキリングで最初に検討すべき制度です。コースは2つあり、DX・新規事業関連の研修なら事業展開等リスキリング支援コース(中小75%+賃金1,000円/時・2027年3月終了予定)、一般的な業務研修なら人材育成支援コース(中小45%)が受け皿になります。生成AI研修はDX訓練として75%コースの明文の対象です。制度のしくみと試算例は全体解説、75%コースの詳細はコース個別解説にまとめています。
法人向け②:都道府県の独自制度(15県で募集中)
国の制度に加えて、県独自の研修補助金を持つ自治体があります。当サイトの実測調査(2026年7月)では15県で研修系の補助金が募集中でした。例を挙げると、富山県(とやま人材リスキリング補助金: 75%+賃金助成・上限100万円)、熊本県(リスキリング応援: 75%・上限50万円)、沖縄県(80%)、愛媛県(1/2・30万円)など。東京都にはDXリスキリング助成金(経費3/4・1人7.5万円・1社100万円上限)があり、10時間未満の短時間研修でも使える点が国の制度と異なります(同一訓練での国との併用は不可)。お住まいの県の制度は都道府県別ページで確認できます。
個人向け:経産省事業とハローワークの制度
個人が自費で学ぶ場合は系統が変わります。本命は経済産業省の「リスキリングを通じたキャリアアップ支援事業」で、受講費用の最大70%(上限56万円相当)が補助されます。転職を前提とした設計である点が特徴です。このほか、雇用保険の加入歴がある人向けにハローワーク経由の教育訓練給付制度もあります。会社員が「会社に言わず自分で学ぶ」ケースと「会社の研修として受ける」ケースでは使える制度がまったく違うため、迷ったら個人向けの制度の選び方を先にご覧ください。
どれを使うべきか:選び方の早見表
制度選びは次の3問で決まります。
1. 申請するのは会社?個人?——会社なら人開金、個人なら経産省事業へ
2. 研修はDX・新規事業に関連する?——関連するなら75%コース、しないなら45%コース
3. 所在地の県に独自制度はある?——あれば国との使い分け・上乗せを検討
1. 申請するのは会社?個人?——会社なら人開金、個人なら経産省事業へ
2. 研修はDX・新規事業に関連する?——関連するなら75%コース、しないなら45%コース
3. 所在地の県に独自制度はある?——あれば国との使い分け・上乗せを検討
| 制度 | 申請者 | 助成率 | 期限・注意 |
|---|---|---|---|
| 人開金 リスキリングコース | 会社 | 中小75%+賃金1,000円/時 | 2027年3月終了予定 |
| 人開金 人材育成支援コース | 会社 | 中小45% | 恒常制度 |
| 東京都DXリスキリング助成金 | 会社 | 3/4(7.5万円/人・100万円/社) | 10時間未満も可・国と併用不可 |
| 県独自の研修補助金 | 会社 | 県により50%〜80% | 15県で募集中(2026年7月時点) |
| 経産省 キャリアアップ支援事業 | 個人 | 最大70%(上限56万円相当) | 転職前提の設計 |
表: リスキリングに使える主な公的支援の比較(2026年7月時点の当サイト調査)
自社(自分)の条件でどれが使えるかは、会社URLを入れるだけの無料診断でも確認できます。共通の注意点
どの制度にも共通するのは「研修開始前の申請が原則」という点です。特に人材開発支援助成金は計画届が訓練開始1ヶ月前必着で、遅れた場合の救済措置がありません。また助成金は後払いのため、研修費はいったん立て替えることになります。県の制度は予算枠に達し次第終了するものが多く、年度後半は締め切られやすい点にも注意してください。